エガクのブログ

絵を描く事と、山に登る事と、作業所に通うハンディのある長男と、夫と、東京に居る二男と…

アサギマダラ

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(大町で会えたアサギマダラ)

 

あれは夕方の幼児番組だからもう15年は前だと思いますが。

いろんな生き物の詩を、それぞれ本格的な音楽にのせて歌にしていた時期があったんです。

【むしまるQ】

 

手抜きなしのそのジャンルのメロディにのせて、題材の生き物のことを歌い上げるという。

イカスミダ・タコスミダ」は、影山ヒロノブですよ、あの。レイジーの!

ヘヴィメタル音楽とイカタコとのミスマッチ!(笑)


【影山ヒロノブ】イカスミダ・タコスミダ【むしまるQ】

初めて聞いたとき、のけぞっちゃった(笑)

 

 

その中で『ちょうのきた道』というオオカバマダラの歌がありました。検索したのですが、ヒット出来ませんでした💧💧ニコニコ動画にはあったんですが、アップしてもよかったのかな?

 

これもミュージカルみたいな イメージで言うと『ライオンキング』みたいな。

すごく壮大な 朗々と歌いあげる作りになっている歌でした。

 

で、

そのオオカバマダラという蝶について。

オオカバマダラ南北アメリカ大陸を、世代を重ねて縦断します。

 

鳥や動物の大移動もありますが、その個体が行ったり来たりすることは、

(ああ、子育てするのに暖かいところでないと難しいのね)

(暑さは苦手だから北上するんだ)など、

なんとなく理由は考えられるんですけど、

着いた先で卵を産み寿命を終わらせる。そして留地する個体もなく延々と移動を続けているという 蝶の渡りをみると、生きるということの生命の根源を考えさせられます。

 

そして日本には 同様な生態の、

アサギマダラを見られます!

本州から沖縄を越え なんと東南アジアまで渡るんです。

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数年前に、山小屋のお土産のモチーフに選んだことがありました。

けれどその時は、羽の模様を意匠化することに気がいっていた気がします。

 

実物を見たのは、一年前の黒戸尾根です。

その時はガイドさんが「あ、アサギマダラ!」と指差した時にはもう豆粒のようでどんな蝶なのかさえ見えませんでした。

それと今年、有明山登山道で、本体のない羽を見ました。

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それがじっくり見られた最初です。

 

今年の描くきっかけも、実はエガク工房商品化の題材に選んだんですけど、

省略化 

デフォルメ 

デザイン化

それらをするにしても、まずは描いて自分の中に落とし込んでから…と思ったのです。

ところが昆虫って、人体 動物 鳥類等の 今まで描き慣れた筋肉で構成された生命体と、

作り

飛ぶシステム、

もう全く違うんですよね。

昆虫に関しては 解明されてない部分も多いので、

わたしは科学者体質でないし、わからないところはわからないまま抱きしめて描こうと思います。

ところがそれにしても、羽の柄だけ描いていても、

ちっとも生命感がないのです。

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(描けてはいるけど、違う。。そこはわかる)

 

柄だけ追求し過ぎると動きはなくなっていって標本のようになってしまうし、かえって商品ならその方が映えるのかな。。とか。

まああっちこっち思考は飛んで常に考えていたって感じですね。

 

『あさぎ色』というのが薄い空色みたいなんだけど、検索で上がってくる写真で 青いのはほとんどないという。。

 

これは実物を見たい!

 

Facebook友だちの投稿に期せずしてアサギマダラを見に行ったというものがあり、今長野あたりに居ると知り 行くことにしました。

 

大町のホームページにちらりとヤナバ、青木湖 中綱湖あたりということで、いつも通過している所なので新規開拓な気持ちも兼ねて出かけました。

ヤナバという地名めがけて行き、まずはヤナバスキー場に着いたものの、ススキがそよぐばかり。。

その下に簗場駅、中綱湖があったんですね。

大きな道を走るだけでは気づかずいるのも 仕方ありませんね。

 

 

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中綱湖 

仁科三湖の中では最も小さく、逆にそのことが風のそよぎ、

植物の中に見える季節の移ろい、

鳥のさえずりや姿など、

等身大に自然を楽しめる、そんな印象を受けました。

 

これまた検索で、フジバカマという植物にアサギマダラが好んでやって来るとも知ったので、フジバカマをまず探しました。

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草刈り跡の中に唯一残されていたフジバカマ。

これは期待大♡

 

次のフジバカマ群生に移動してみました。あ!

いたいた。

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初めはわたしが動いただけで飛び立っていたのが、だんだん慣れてきたのかかなり接近してシャッターを押しても、その場にいるようになりました。

 

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光に透けると淡い水色に見えました。

そしてやはり身体部分の方から羽が拡がる。

そういうイメージで柄を捉えてみようと。

 

そして描いたのが

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わたしなりに 蝶の命に触れた、

そんな気持ちになれた記念すべき作品です。