『劒岳 点の記』 読了の記
登山を始めてその存在を知ったのが、三角点です。
(早月尾根にある三角点)
それを立てるために 4メートルもの木材やその他用具を現地に持参しなければならないとは…
それに読んでいて、自分の感覚をしばしば確認しなければならなかったのが、これは『明治40年代のお話し』だというところです。
登山道、わたしが知っているみたいな様子じゃない!ってとこ。
登山を始めた間も無くの頃は、
踏み固めた道をわずかにずれることがありました。
地面が柔らかいのです。
斜度があれば崩れていくし、
未踏の山って常時そんな感じなのでは…と推察したのです。
この本の中に、長次郎が木綿の下着を着ていた!という部分がありました。柴崎がポケットマネーでウールの下着を贈ったとあります。
今ではどんな登山本にもウール 化繊が鉄則とあり、それも
あの時代の人たちの(木綿だとどうもいかん)という失敗感覚が 今に活かされてるんでしょうね。
『長次郎谷』は、この宇治長次郎、
その並びにある『平蔵谷』の平蔵はいつ出てくるかなと読みましたが、登場人物ではなかったです💦
小説全体、粛々と男たちが任務遂行する様が続いていきます。
予算も潤沢でなく、
期間も切られ、
季節天候にも翻弄され、
それでもやり遂げた達成感!
あ〜やっぱり私、こういう生き方に気持ちのベクトルが向いていきます。