エガクのブログ

絵を描く事と、山に登る事と、作業所に通うハンディのある長男と、夫と、東京に居る二男と…

ワクワクと気づきの山行

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あれはいつからでしょう・・・

一昨シーズンに甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根、

昨シーズンに笠新道、剱岳の早月尾根と

ハードなルートを行くことが出来たけど、

喉の奥に何か引っかかったような気分。

それはきっとあれでしょう。

三股ルートの常念岳

 

常念小屋の玄関に看板がありますよね。

『水場もなく長距離なので、三股ルートの方は小屋の者に一声お掛けください』

だいたいこんな警告文。

あれに警戒していたんだと思います。

今シーズン、いよいよその三股ルートを行こうと

数か月前から気持ちの準備を始めていました。

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その時の計画としては、

夜明け直ぐくらいから歩き始め常念小屋に宿泊。

翌朝も朝ごはんはお弁当にしてもらってこれまた一日かけて下山と。

これなら良いんじゃない?

 

いちど残雪期に下山してるんです。

ですが残雪期とはいえ下山に8時間かかってそれもヘロヘロだった記憶だけが鮮明で…💦

(この木の幹に足引っかけてへたり込んだ)そこまで覚えてた(失笑)

あの頃よりは行けるのかな?

 

あとはグリーンシーズンを待ってやーくんのショートステイを取って・・・

と計画していたのが、2020ニューコロナ。。。

そのまま待ってればいいんでしょうけどそこは人間。

ロボットのようにはいかず、気持ちもとん挫してしまいました。

春先はからだづくりもせずこもっていましたが、

どうも長野は三密を避けられるのなら外出していけそう・・・と気づいて

まずは と光城山から長峰山ラウンドを始めました。

そしたところ山中でゆうじんさんと会ったのです。

数日前に満身創痍の投稿を見たばかり。

足を痛めていた様子でした。

 

そして今月に入ってのゆうじんさんの投稿で、

三股6時間かかったとの事。そして来週も行くとの事。

あれー 来週やーくんのショートステイとってあるよ!

私としては珍しく声を上げて、トントン拍子に行くことが決まりました。

 

今のゆうじんさんとだったら行けるんじゃない?

と、

… 何を思い間違えたか、その時はそう考えたのです(笑)

日にちも決まり落ち着いてくると、わたしは登りはどんなに頑張ってもコースタイムを縮められないことを思い出してしまいました。

樹林帯の中でも(こりゃダメだ)と思ったら、先に行って貰えばいいんだと。予防線、予防線。

 

そして当日。

三股は、百曲がりという樹林帯がスタートです。

ガイドさんはそこでゆっくりめのペースを作ってくれていたわけです。

ゆうじんさんも、「登りがひと段落した平らなところで休むけど、小休止は自由にとってよね」との配慮のお言葉を 何度もかけてくれました。

ずっと喋っているゆうじんさんについて行こうとしてるのに、あっという間に離れるんです。

うおー これが『走るひと』かあ!

トレランすご〜い!

 

けど

なんで?

身体の使い方?

身体能力の高さ?

 

それらもあると思いましたがもうひとつ。

わたしの場合、気がついたことがあります。

今回早々に『脳の暴走』がなくなったんです。

脳の悲鳴が聞こえなくなった、と言えばいいのかな。。

『痛い、お腹すいた、疲れた、止まりたい。。』で、ペースをグダグタと落としたり止まっていたわけです今まで。

今回自分の前には先行者が居る、離れずついて行きたいという仲間感。

その気持ちの方がまさって、邪魔するものがいない感じ、『集中』というより心穏やかで、『瞑想』という方が適しています。

で、平らな堀金村の看板があるところまでが コースタイム3時間30分なんですが、

こんなについていけなくて、だめだダメだと思っていたところが、腕時計を見ると、2時間で行けてた!あの急登

それ以後はコースタイムからマイナス10分とか20分くらいでしたけど

10時59分頂上〜! この1分は大きい(笑)

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うわ〜ミラクル〜

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(わずかに見えた上高地

 

ゆうじんさんは喋り続けていて、わたくしあんなにおしゃべりしながらの登山は初めてでした。

稜線まで出てきて「ここが急だけどスキーは良いんだよ!」

「こっちの斜面も滑った。この時は沢と藪漕ぎで大変だった」

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で わたくし残雪期縦走した折に、そのシュプールを見たんですよね。その感動と衝撃の記憶もあり、

現場を見ながらのご本人のお話にさらに感動していました。

 

岩場に出たあたりで息が入ってこなくなる感じが現れました。

登りになると息を吸うたびに「ひゅう」と、声帯まで反応するのは気管狭窄。これはすでに身体能力のキャパオーバーの時に出ます。

水をこまめに飲み、循環器よ復活〜お願い〜と祈ります。

沈黙がなかったので ゆうじんさんにも早々に伝えることができ、その都度「深呼吸して隅々に空気を入れよう」と呼吸のコツを教えてくれます。

そうしたら急にぱあ〜っとクリアになるんです!

止まることで収まりを待って再開、その後はゆっくりペースというのが今までだったので、

歩みを止めずに改善して高度を稼いで進めたってのは、凄いと思いました。

 

ゆうじんさんはさすが名MC、励ましてくれる言葉を次々とかけてくれます。そしたらねえ、頑張れるんです。

百曲がりのところでも、見上げるとゆうじんさんはいつも止まっていて、物足りなかったんじゃないかと思うのに、「走らない登山をしてる人がこのペースで来れたっていうのはすごいよ。」

頂上では、

「日帰りで三股達成だよ。この急登を登ったことでまたひとつグレードが上がって広がるね!」

 

ひとつ大きなちがいを発見しました。

ゆうじんさんは常に斜め45度、前のめりにその先を見つめているなあと。

わたしにまだ可能性があるように言葉のシャワーを浴びせかけてくれるんです。

それはテクじゃなく人格なんでしょうね。

だからゆうじんさんの周りには人が集まるんですね。

YUKARI さんもゆうじんさんと登るの楽しかったんだろうな

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(YUKARI ケルン ここまで別行動にならずに来れた事だけでも今回の意義がありました)

 

 

対してわたしの目線は、いつもOWARIに向いていたな と気づきました。

登山も始めた時点で、出来てあと10年だな、と。

あ、これ結構若い時からで、「死ぬ時にはあぁ良い人生だったと言いながら死にたい 」とか、むしろそれを人生訓にしていたりで。

それって怖がりなんでしょうね。

 

『ブロックや恐怖は

外してから行くんじゃない

行くから外れるんだ』

 

外してから行こうとしていたのが私で、

行くことで次々外していたのがゆうじんさんでした。

 

ベクトルが逆でした。

そんな私が期せずして今年、先(結果)が見えないことにチャレンジしました。結果ダメだったんです。あのガックリな感じが嫌で予防線はってたんだろうな〜と気づいたのと、恐れていたような人の反応もなかったので、次回には抵抗なくチャレンジするかもしれませんね。

ちなみにその残念さ無念さを光城山ラウンドの登山にぶつけたら、びっくりするようなタイムとヘタれてない身体に二度びっくりしたという後日談付き(笑)

だからレースする人は強いのかも。。

 

さて、

予定よりも早く着いたし、

ゆうじんさんは息を弾ませることもなく汗もかかず「調子が出てきた」と、蝶ヶ岳経由で降りるとの事で別行動になりました。

自分が、残雪期とはいえ2泊3日で行ったところを日帰る?

飛んで行くのか?

 

それともワープ(笑)

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(じゃあね〜お気をつけて〜)

 

ともあれ下りはマイペースで行けるわ〜♬  

行きはほとんど写真も撮らなかったのでお花の写真など撮りながら なおかつ万全の注意も払いながら下りました。

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シャクナゲさん

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登山道の脇に。。

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チングルマさん

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こういう生え方スキ❣️

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ハイマツの赤い実

 

 

結構ハイペースなつもりでいた午後3時、ゆうじんさんから『三股着いたよ』のメール!

ひょえー!わたしまだ1800mですよ。

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落とし物を届けるという使命もあり、そのあとは自分なりに飛ばしましたが…

三股4時でした。。

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あ、でも登山前に 自分では6時までに着けば御の字と思っていたんだから。。進歩です。

 

ホッとしたら顔がピリピリ痛い!マスクや日焼け止め塗るどころじゃなかったからなあ💦

けど今回は名誉の日焼けです!