続 高熱瑣談
夢なのか思い出したのか 朦朧として定かでないのだが、多分季節はずれのパウダーに未練があったから 記憶がよみがえって来たのだろう。
小学生の時、家族でスキーに行くことになった。
四国生まれで、 雪で遊べると大はしゃぎ。出来て間もない剣山スキー場へ行ったのだと思う。
四国というと海のイメージが強いかもしれないが、森林率は70%超で、山は険しく 硬いしもろい。要は現代式の開発には向かない地域である。
それを高度経済成長期に誰が言い出したのか、剣山にスキー場をオープンさせたのである。
剣山といえば、四国の最奥地である。
ワクワクしながら見ていた高度を稼いでいく車窓には、子供の目にも豊かとはいえない山間農村の家屋が点在していて、それも道路に張りつくようにわずかな平地。そんな家々が雪をかぶっている。外にひと気はない。
子供ながらに(雪が降る場所って こんな生活を強いられるところなんだ。そんな場所に遊びにきてよかったのかな…)
そんなことを考えていた…
ことを思い出した。
白馬にこだわってスキーに出かけていたのも、幼少期に思ったあの感情、スキー場に着くまでの車窓の風景もあるな…と思った。はしゃぐ気持ちをさまたげるものがない。
このご時世、町村合併せず村で成立出来てるって言うのは 大したものだ。