山で出会う 人間模様と 大自然と
あるご縁で 今回は、西穂山荘へ行くことにしました。
街は春めいてきたが、高山帯はまだまだ厳冬期。
それもあり、私を育ててくれた(ニックネーム)会長に ガイドをお願いしました。
2016年にアルプスレベルの登山を始めてから大分荷物類作りも成長したかと思うのだが。。。今回山小屋で出会ったお姉さま方の荷は、6㎏と5㎏!ロープウェイの手荷物料金以下です。
ちなみに私、11㎏...💧
これでもザックに余裕は出来たし(以前はパンパン)
片手で持ち上げられるようになったし(以前は両手でヨイショ!でした)
ヘルメットアイゼンピッケル全部入れてなんだけどな~💦
ちなみにちなみに、会長は12㎏💦
ザイルツェルト等、ガイド商売道具コミコミで...💦
むーん… 修行いたします。
帰宅して荷をあけたら、手袋が6個出てきた(笑)
『予備』は要りますよ、けど、『予備の予備』はやめましょう。今回も4個で対応できたし。記録帳に書いておこう。
山に登り始めて、自分の潜在意識が顕著になってきたのが『予備不安』👈勝手に名づけました。
『ちょっと先を心配する』
👉『心配し過ぎる』
👉『萎縮する』
って状態ですね。
考えてみたら『今を信用してない』って状態な気がします。
荷づくりしている自分を信用する👈今、自分に課しています。
今回の西穂方面には、新穂高ロープウェイを使います。
一気に2000㍍超えの標高をかせげるんですから ありがたいです。
実は、この新穂高ロープウェイには 強烈な思い出があるのです。
平成2年7月のこと。
母親は山岳会以外の山パートナーを欲しかったんでしょう。
そのタイミングで退職直後の20代の若い娘!残務整理直後でヘロヘロでしたが、親のリクエストに 私も深く考えずに 応じて出かけました。
ロープウェイは2本あって乗り換えます。
それぞれ乗車時間は7分程度です。
それが2本目の長いロープウェイが強風で運休。有無を言うことなく歩きましたよ。どこまで?
西穂山荘まで。
左側がずーっと切れ落ちた崖で、あんまり人が通っていないなって印象の登山道でした。
上から小学生低学年くらいの親子連れが降りてきたくらいで、ほとんど人は行き交いませんでした。その子どもは ヒモで繋がれていて、それが必要だなってくらいの斜度でした。
景色が とか、雄大な大自然…とか、そういう感情は芽生えなかったですね(笑)させられるって、そういうことなんですよね。
山の身体も出来てないのに 若いってだけでの 6時間の登りはコタえました。
相部屋もコタえました。
うら若き私は 眠れません...ちなみに今も、うら若くはないけど眠れません。
徹夜よりマシ、横になれて目を閉じられてマシ...くらいな状態です。
翌日 西穂高岳まで登りきり、下りは運行していたロープウェイで下山しました。
6時間かけて登ったのが7分で降りてこられて、文明への感謝なんて感じる許容もない若さに阻まれ、脱力した印象だけが残っています。
自宅帰宅して、高熱出しました(笑)
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そんな昔話を会長にしながら ロープウェイに乗って入山。
その夜の西穂山荘宿泊客は 私たちを合わせて5人でした。
初めて会った5人で意気投合、話に花も咲き消灯。小屋では風の音など全くしなかったところが、しのび寄る低気圧の風雪で、一晩で降り積もり小屋を出てすぐラッセル。
あ!この写真は1日目でした!失礼(笑)でもこれよりひどかったということで。
昨日よりも更に強烈な風。
エビの尻尾だらけでした(笑)
丸山で引き返し、すぐ山頂駅へ向かったものの、すでにロープウェイは運休中。
再び5人が揃いました。
午前は再開未定。山頂駅で泊まることになったら食事はロープウェイ会社で用意するとのこと。
午後を過ぎて、一本だけ運行するが時間は未定なので いつでも出られるようスタンバイしておいてくれ、との話になりました。
広い待合室に微運転のストーブ1台。
小屋でも使わなかった防寒着の上から 寒さが身体に刺さってきます。
低気圧通過で 風はますます強まっています。そのうち建物が風圧でガタガタと音をたて始めました。
ロープウェイが動く…となっても 気持ちはホッ...などとはならず、むしろロープウェイ中での事故などが皆の頭をよぎり
「駅に居る方が安全じゃないの?」と、残留を提案する人も居る始末。
ロープウェイに乗り込んだのがほぼ6時間後。風速はピークじゃないの?ってときですよ。
ゴンドラとプラットホームをつなぐ渡り廊下が凍って跳ね上がらず、その間寒さと緊張でガタガタでした。
離陸するとユラユラです。
鉄塔の風向幟が真横(笑)
塔に接触しそうなくらいの横揺れなんです!
中間駅に到着したときには思わずスタッフを労いました。
しかし、新穂高ロープウェイのスタッフ、みんな若い!
「現場のお兄ちゃんも とばっちり。いじめないでいようね」と、5人で申し合わせていました(笑)
おのおの、この先の予定変更に対応したり、手持ちぶさたな時間つぶしなど ツラくなりかけた時もありましたが、その辛さを和らげたのは、その場に居合わせた人間力でした。
映画の『タイタニック』で、今でも焼きついている登場人物がいます。
傾きかけた船のデッキに殺到して我れ先に助かろうとする人たち。
その喧騒がうっすら聞こえてくる 窓のない三等船室のベッドに 子守唄を聞かせながら我が子二人を寝かしつける母親です。
子どもが
「ママ、お船が斜めじゃない?」「ぼくたちも逃げなくていいの?」
と聞きます。
(正確なセリフは忘れましたが)
「すぐに楽になるから、あなたたちはおやすみなさい」と、
母親は悲しい表情で言い諭していました。
あの母親の覚悟。私は身につけたいと思っています。
そんな極限状況は、この先体験するかどうかわかりませんけど、そんなときには 辛く感じる人の気持ちを 和らげる存在になりたいです。
2本目のロープウェイ、全くの無風でホントに、
本当に別世界。
無事に戻って来られました。ホッ。。。
降りながらも穂高の稜線へ思いを馳せました。
自然の厳しさ、おごそかさを。
帰ってきてホッとしたのにもう また行きたいです。なんでかな
けれど、
相反しているかもですが、
.........
ロープウェイは 利用するのはちょっと足踏みです。
というか、
当分こりごりです。(苦笑)